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疫病と大仏建立

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東大寺

先日放送された歌番組で、歌手のMISIAさんが東大寺大仏殿の前から生中継で歌っていました。 MISIAさんは歌を披露する前に、「新型コロナウイルスでお亡くなりになった方への祈りを込めて」という風なコメントをされていましたが、東大寺の大仏さんと感染症には深い関わりがあります。


TEXT:MARUWA


 

東大寺を造ったのは何故

東大寺の大仏は正式名称を「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」といい、今から1200年以上前の752年に完成しました。聖武天皇が743年に大仏建立を命じてから約10年、建立に関わった人の数は260万以上と言われており、当時の一大国家プロジェクトだった事が伺えます。

大仏殿

では、なぜ巨大な大仏を造ろう!となったのでしょうか。
理由は当時の不安定な社会情勢や自然災害の多さなど様々な国難が挙げられますが、やはり天然痘の大流行が大きな要因のようです。


天然痘は人類が初めて撲滅に成功した感染症ですが、 当時は予防ワクチンや治療法があるはずもなく総人口の3割の方が亡くなったと言われています。 聖武天皇は平和への願いを込めて、高さ50メートルもの巨大な仏像の造設を決意しました。 医学が未発達だった時代に、人々は神様に祈るしかなかったのですね。


そして今のコロナ禍の中で、 全国の寺社仏閣ではコロナウイルス収束を願ったご祈祷が行われています。 しかし、神様に祈るだけでは収束はしません。 やはり、私たち個人レベルで手洗い消毒・マスク着用・ソーシャルディスタンスを保つなど、 ひとりひとりが感染拡大防止のために高い意識を持つ事が大切ですね。