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漫画「大家さんと僕」

漫画「大家さんと僕」

漫画「大家さんと僕」

今回は奈良在住31年!絵が描けないデザイナー、MWが不動産にまつわる漫画をご紹介いたします。
お笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎さんが描かれた漫画「大家さんと僕」です。

みなさんは物件を選ぶとき、どこを重視されますか?
駅や職場からの距離?家賃?設備?慣れ親しんだエリア?
条件に挙げて巡り合えるものではないかもしれませんが、いい大家さん・いいご近所さんに恵まれたらいいなと思わせてもらった漫画です。
8コマ漫画で少ない線、柔らかいタッチで2人の空気感が描かれていて漫画を普段読まない方も読みやすい仕上がりになっています。

1階には大家のおばあさん、2階にはトホホな芸人の僕。
挨拶は「ごきげんよう」、好きなタイプはマッカーサー元帥(渋い!)、牛丼もハンバーガーも食べたことがなく、僕を俳優と勘違いしている……。
一緒に旅行するほど仲良くなった大家さんとの“二人暮らし”がずっと続けばいい、そう思っていた――。泣き笑い、傑作漫画。

受賞 第22回 手塚治虫文化賞 短編賞

新宿区の外れにある木造2階建ての一軒家。
元々2世帯住宅だった2階部分に住むことになった矢部さん、1階に住む上品な大家さんとの交流が始まります。
不規則な生活をしている矢部さんが帰ると洗濯物が畳まれていたり、頻繁に電話がかかってきたり、距離が近すぎる交流に最初は戸惑い、電話に出なかったりしていたところをきちんと描かれているのが好感を持てます。
大家さんとあまり距離が近いと、ありがたい反面、距離近くない?と戸惑ってしまいますよね。
徐々に大家さんとの交流が楽しくなり、伊勢丹にお茶や食事に行ったり、鹿児島に旅行に行ったりするくらい仲良くなっていきます。

大家さんは新宿に戦前から住まれていたようで、戦前・戦中・戦後の新宿の話を自然と昨日のことのように話されます。
「伊勢丹までのまっすぐの道路は戦時中に飛行場が爆撃されたら、滑走路にするためだったと言われているの」という大家さんのお話の次のコマでタクシーが空を飛ぶ絵に変わるんです。
漫画と一緒に私も昔の新宿をふわっと飛んでいるような気持ちに。画力と想像力が光る素敵な描写です。
たまに出てくる楽屋のガサツな先輩(ほんこんさん?)、そして草むしりを手伝いに来てくれる後輩のギャル男芸人「のちゃーん」もいいキャラなんですよね、のちゃーんテレビ出てくれないかなー。

私自身もこんなに距離が近い関係ではなかったのですが、知り合いが大家さんをしているアパートに住んでいたことがあり、とても親切にしていただきました。
大家さんといい関係が築けていると普段の生活が楽しく、困ったときにも心強かったです。

「大家さんと僕」の「大家さん」のような人にはなかなか出会わないかもしれませんが、引っ越し先ではいい大家さん、いいご近所さんに出会いたいですね。

以下の新潮社さんのサイトから試し読みできるので、まだ読んだことがない方はぜひ読んでみてください。とても素敵な漫画です。